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レビューを書いて文章力をあげたいという甘い考えの産物です。

ネットで暴走する医師たち

ネットで暴走する医師たち

ネットで暴走する医師たち

面白かったです。
医師たちの世界の裏側をかいま見た気がしました。
あ、別に、医師たちがみんなこういうサイトで誹謗中傷を繰り返しているって思ったわけじゃないです。
むしろ、こういう世界は医師の世界にもやっぱりあるんだな、って思って、医師もやっぱり人間なんだなと思った訳です。

この本では、こういう「2ちゃんねる」みたいなことをやってるのって医師だけで、教師もマスコミも弁護士もやってないぜ、みたいなこと言ってるけど、それって比較できるんですかね?
弁護士も、教師も、マスコミも、ネット上以外の場所で、結構酷いこと言ってたりしないですか?
彼等は、はけ口があって、医師にははけ口がないからネット上に言ってるって考えられるのでは?
一般的に、医師は理系人間で教師とかマスコミとかは文系人間なんですよね。この本では医師もコミュニケーションが大事とか言ってるけど、他方が理系人間の教育ではあんまりコミュニケーション能力は重視されてない。

いや、もっと言えば、文系人間だって必ずしもコミュニケーション能力が重視されていない。

そして、小学生から塾通い、いや、幼稚園に入る前から塾通いすることがメジャーになりつつある時代に「コミュニケーション能力」なんちゃらということを強調してもしょうがないんじゃないかな、とさえ思う。
それは別にコミュニケーション能力は不要だ、ということではない。
いやむしろ、私もこれからの時代でコミュニケーション能力がないといけないとは思います。
だけど、一方で、昔から「良い人」や「良い医師」がコミュニケーション能力が高い人だったかというと、必ずしもそんなことないんじゃないかな。
つっけんどなおっさんや、パターナリスティックな医師の態度が受容されていた時代もあるはず。


この本をよんで、医師たちがどんなに酷い誹謗中傷しているかということがわかったし、「ウラ」を取っているかどうかを考えるとネット上の情報より新聞の情報のほうが遥かに信憑性が高いことはわかった。
この本をよんで得られた情報は、非常に重要なものであるし、知る必要もあるのかもしれない。
だけど一方で、ジャーナリストに「ジャーナリストはウラをとってるから、彼等の言っていることは信用できるけど・・・」みたいなことを言われても、はっきりいって、全く説得力がないです。

ネットで誹謗中傷をするひとたちは、やっぱり、なんらかの理由があって誹謗中傷をしているはず。
むしろの「理由」を知りたい。