キャッチャー・イン・ザ・ライ
- 作者: J.D.サリンジャー,村上春樹
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2003/04/11
- メディア: 単行本
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そういえば、最近亡くなったんですよね。
サリンジャーさん。
たまたま、亡くなる一週間ぐらい前に読んでいました。
この本が有名になった理由は分かる気がします。
他の人たちがどういう感想をもってこの本を読んでいたのかは知らないんですが・・・
この主人公は、常に、様々なことを考えているんですねー。
私、彼の考えていることに、すごく共感したんです。
彼に言ってることはあまり間違ってないと思うし、
そういう考え方をしつつ、いろんな人と付き合い続けるって、むしろすごいな、とさえ思いました。
でも、彼の問題は(おそらく、私が思うに)、他の人たちも、自分と同じ時を経ている、ということを認識していないことなんだろう。
それが自分だけだ、と思っているから病気にまでなってしまったのだと思う。
だけど、実はそこがとても現実味があるところで、それこそ私が高校生で、主人公と同じようなことを考えていたとき、本当に「他の人も今の自分と同じことを考えることがある」ということは認識していなかった。考えようともしていなかった。
なぜなら、そのような考えに至るためには、「現在」の考えを相対化できる「未来」の自分にならなくてはいけないのだ。
だから、私がこの小説の主人公に重ね合わせているのは「私」ではなく、あくまでも、「過去の私」にすぎない。
だからなんだよ、っていう話ですがw
他の訳は読んでいないけど、多分村上訳はいいんだろうな。
日本語では「ライ麦畑で捕まえて」ですが、はっきりいって、全然だめ。
これは、小説の雰囲気を丸潰しだと思います。
だから、日本語タイトルも「キャッチャーインザライ」でいいと思います。
誰もが通過する時代を、こんなに上手に描写できるのは、本当にすごいと思います。
なんか、「この感情は、こうやって言葉にするのか!」ということを学びました。