This is the day

レビューを書いて文章力をあげたいという甘い考えの産物です。

チェルノブイリ報告

チェルノブイリ報告 (岩波新書)

チェルノブイリ報告 (岩波新書)

おっと、本の画像がない!!笑

この本は、本を家に忘れちゃったときに、彼氏に借りました。
これは、大分面白かったので、ぜひご紹介させていただきますっ!!

チェルノブイリ原子力事故について、もちろん知ってはいるし、ギリギリリアルタイムなんですが、リアルタイムといっても出生後1年とかだったので、さすがに記憶はないんですよね。なので、その後の影響などについても、ふーん、という程度。
(関心がない、というよりも、そもそもの問題がよくわからなかったから。)

ただまぁ、原子力発電については、戦時中の原爆投下やその後の実験による影響などを考慮した上で、うさんくささを感じてます。
テレビとかでは「クリーンエネルギー」とか言われているけど、その「クリーン」ってなんだよ、とは思っているし、電力関係者がいう「安全性」も信用できないと思います。

その上でこの本を読むと、「やっぱり原発は、なしだろ」というのが素直な思い。
チェルノブイリの事故も、安全性が歌われていた原子力発電所が爆発した、というものでした。
そして、その結果は、あまりに広域にわたる放射能汚染
放射能汚染って、こんなにひどいとは、正直知らなかった。
その場所にいくだけで、もしくはその食べ物を食べるだけで、目に見えない物質に汚染され、病気が発症する、というのは本当に恐怖だし、その恐怖は私には計り知れません。
土地が安全に食物を再生産できるようになるには、200年かかるらしい。
そういう「リスク」を追ってまで、本当に「原子力発電」による電力を得る必要はあるんでしょうか。

さらに、ソ連政府の「隠蔽体質」もあらわにされますが、これは決して「ソ連」に限る話じゃなく、欧米大国をはじめ、すべての国の政府に当てはまる話でしょう。
政府が被害を低く見積もって、国民に対して十分な対策をしないだけではなく、同時期に電力会社が「事故」にのっかって自社の汚染物質を垂れ流しにするとか、もう本当に、悲惨すぎて言葉がでないです。

ただ、いちばん気になったのは、実はあとがきなんです。

「原爆に反対」と主張するとき、その理由を明確にしなきゃいけない、それを明確にしないと、差別を助長するだけだ、という話がありました。
なぜなら、もし仮に「汚染物質によって家族が障害を負う可能性がある」ということを理由に原子力発電所に反対するのであれば、その発言の背後には実は「障害者はいらない」という思想があるため、必然的に障害者差別につながるのです。

そういった福祉方面の勉強を進めている私としては、そういった視点からの発言には結構びびりました。
でも、何事に関しても、そういう視点から常に見つめ直さないといけないですよね。というお勉強になりました。

原子力発電所の反対のように「一見よさそうに見えるもの」のなかに、実は見逃せない問題が残っている場合が多い。そして、それらは「一見良さそうに見える」がために、しっかりと検証されなかったりする。
それって、実はとても大きい問題ですよね。今後、十分に注意したいと思いました。