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This is the day

レビューを書いて文章力をあげたいという甘い考えの産物です。

自殺論

自殺論 (中公文庫)

自殺論 (中公文庫)

社会学といえばデュルケームデュルケームと言えば自殺論!
というわけで(えっw)、読んでみました自殺論。

そうそう、昨晩父が不機嫌に帰宅して、
「今朝電車が人身事故でダイヤが乱れて大変だったんだ!」とご立腹でした。
そういうの聞くと、あらあら可哀想に、と思う一方で、人身事故なんて迷惑だなーよそでやってくれよー死ぬなら勝手に死ね!と思ってしまうことないですか?

正直に言えば、私はありますよ。
というかしょっちゅうです。

でも、よく考えてみてください。
じゃあ、私の知らない所で勝手に自殺していれば、それは別にいいんですか?

日本で年間三万人以上が自殺で命を落としているんです。統計上は交通事故死の4〜5倍!!


ここまで読んで自殺の原因ってなんだろう、と思い始めたあなたは、良い線いってます。
さて、自殺の原因ってなんでしょうか。

「死ぬ人が精神的に弱い」という意見もあるでしょう。「日本の経済が悪いからだ!」「リストラされたからだ!」という意見はあるでしょう。それから「人々が孤独になってきているから」「宗教などの超越的な存在を信じないから」という、精神的な問題を語るのもありですねー。
きっと、普通はそういうレベルで議論して「日本の経済をよくしなくては!」とか「地域社会を活性化しよう!」という結論にたどりつくのでしょう。

しかーーし。
デュルケームは、そういう安易な結論づけを許しません。

統計をつかって、そういった意見の更に背景にある「自殺の原因」に迫っていきます。
そして、自殺には3つの類型があることを発見するんですねー。
さてそれは…
というのはここには書きません。
なぜなら、そんな単純に3つの類型をここに示しても、意味がないから。
大事なのは、どういう統計の読み方をしたら、こういう類型に辿り着いたのか、というプロセスなのです。

まぁでも簡単に結論をいうとしたら、デュルケームは、自殺の原因を、その「社会」に関連づけます。
しかし、その社会を変革すればいいのか?というとそんなことでもないんです。
ただ、人々がなんの規制もされずに自由すぎることは自殺に関係しているので、人々を結びつけ、規制をかけるような存在が必要だ、と述べています。

あ、この本、本文だけで500Pありますが、文体はそんなに難しくなくて、意外とすらすら読めるんです。
とはいえ、とりあえず時間がない、という人は、まず自殺論の最後の章「実践的な結論」から読んでみてはいかが?

ただ、最後に、ちょっと言わせてもらうなら、これをよんで、「解釈」ってとても曖昧なものだなーとは思いました。
デュルケームの統計の分析は本当に凄まじいし、論理的で説得させられるのですが、そこから導きだす解釈は・・・うーん意外と恣意的かも。
特に「結婚制度」に関係する話や、「宗教」に対する考え方などは、当時の考え方を反映しているのかなーと思う所がありました(いや、もしかしたらデュルケームの考え方なのかもしれません)

デュルケームの考え方は、ところどころとってもユニークなので、本当かな?とは思うものの、読んでいてとても面白かったです。
なにより、社会学の古典といわれるだけあって、社会学的な調査の仕方や、社会学的な考え方というものを知る上では非常に参考になる本です。
是非読んでいただきたい。