中央銀行は持ちこたえられるか ──忍び寄る「経済敗戦」の足音
中央銀行は持ちこたえられるか ──忍び寄る「経済敗戦」の足音 (集英社新書)
- 作者: 河村小百合
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2016/11/17
- メディア: 新書
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義父様に勧められて正月に一気に読んだ新書。
政権批判ではあるが、それを前面に出すのではなく、欧米諸国(アメリカも入っているというのが結構大事)の「中央銀行」がどのように情報公開を行いながら計画を立て、それを実践し、フィードバックしているか、という話でした。
今の政権の政策の甘さや誤りを指摘すると、政権の担い手をはじめ、支持者たちから「この人はわかっていない」と一蹴されてしまうように感じる昨今だけれども、河村さんは、非常に論理的に、「金融政策とはなにか」ということを説明してくれる。説明してくれるんだけど、私には正直、細かいことはよくわからなかった。「私は中央銀行の働きも、金融政策もよくわかっていない」ということがわかったことが一番の収穫で、この本のわからなかったところはもう一度読み直したいし、紹介されていた「東京マネーマーケット」を読んで、金融の実務をちゃんと知りたい。
これを読むと、現在の政権はバカなのか、という批判をしたくなりがちなんだけど、その前に冷静になって考えてみると、結局、金融政策をちゃんと見張ることができず、目先の情報に右往左往しているメディア、そして、誰より自分自身の愚かさを痛感する。
昔、大学のゼミで、「昔、電車に乗るとサラリーマンは新書を読んでたが、今は漫画を読んでいる」という話を聞いたのを思い出す。たとえ働く場は社会の末端であったとしても、社会全体の動きをしっかり見極めていたいし、そのための勉強は続けたい。
一年のはじめにモチベーションを高めてくれる本に出会えたことに感謝。