This is the day

レビューを書いて文章力をあげたいという甘い考えの産物です。

そして父になる


お父さん、福山雅治だったら、たまらないよなーと思う一方、父以上の男を見つけられず未婚を貫く、もしくは、彼氏がビビって結婚してくれない、という悲惨な結末を妄想してしまうのは私だけではないはず。
ストーリーは、実話が元になっているからか、なかなか見ごたえがある。
一見裕福・社会階層的に上のほうにいるであろう福山夫妻の悩み・苦しんでいる姿と、ちょっと雑、社会階層的にも・・・なリリーフランキー夫妻の楽しそうな日常のコントラスト、そして、その背景に流れる、数学的・非感情的なピアノの音色(練習曲やバッハだからね)。
福山夫妻が始めのほうで「二人とも引き取ります」なんていっていたのに、気が付いたら二人ともリリーフランキー側に懐き、挙げ句の果てに真木よう子に「二人ともうちで育てようか」と言われてしまう。

この話は、子供の取り違えという問題を背景にしているけど、そのことがむしろ、子供をお腹のなかで育て、出産を経て「母」になる女性にはない、「男→父」へ変わりゆく過程を露骨に見せつけてくるのではないだろうか。
父になるということは、究極的には、血縁ではなく、「こいつと一緒に生きて行く」という決意なのだと思う。